ボイスメディアVoicyの「西野亮廣エンタメ研究所」チャンネルの文字起こしメモをしています。ほぼ写経のような感じでやっています。書き損じはご愛嬌で。
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搾取をしているのはキミだ
冒頭から余談ですが昨日、西野さんは誹謗中傷してきた人訴えたりしないんですかっていう質問されたんで、それをやると僕の場合は日本人ほぼ全員を訴えないといけなくなるのでやめときますって返事しておきました。
母のような愛でお届けしております西野でございます。
今朝は無料公開戦略が全くハマらない人の特徴というテーマでお話ししたいと思います。
僕は、数年前にえんとつ町のプペル絵本を全ページ無料公開したことがあって当時ずいぶん批判されたんです。
「そんなことしたらクリエイターが食いっぱぐれるじゃないか」とか、それこそミヤネ屋さんで、その事についての特集が組まれたほど結構炎上しました。
ところが、この無料公開によって手に取ってくださった方々がいて、結果えんとつ町のプペルの売上ってすごい伸びたんです。
そこから要するに、これは分母と分子の比率の問題で立ち読みをする人が増えたので購入する人も増えたっていうそういうカラクリです。
そこから、出版業界におけるスタンダードな戦略になって、無料公開っていうのは広告戦略の一つになって、今はあんまり珍しくないですよね。
無料公開って結構いろんな形で今回のコロナ禍でも結構やられていたと思うんですが、無料公開は広告戦略の一つになっていると。
この辺に関しては、本当1回日本人全員で西野に謝ってくださいね。
マジでごめんって。良いよって言いますんで。
ここからなんですが、その違和感を言語化することを忘れていたなと思うことがあって。
何かと言うと、まだ世間的には全く無名で(才能の有無はさておき)世間的に評価をされていない人が 無料公開的な「自身のサービスを今は無料で特別に提供します」というキャンペーンをしたりしているところを時々見かけます。
あのキャンペーンほぼ裏目に出てるんでやめといたほうがいいと思います。
無料にすることで、価値が出るのは変な話ですよね。
商品・サービスにはお金を払う価値があるって皆が認識しているものに限った話です。
みんながそれには価値があるよねって認識しているものが無料にされた時に初めて「これは無料か!」ってなると。
これ大体2000円ぐらい。
無料でもらえるこの落差が無料公開・無料提供の価値なんです。
これちょっと耳の痛い話になるんですが、自分の作品・サービスには、思い入れもありますし、作り上げるまでに費やした時間の存在を自分を知っているんで、自分的には有料の価値があるものなんですが、 売れていなかったら、自分がどんだけ一生懸命作ったものであろうが、売れていなかったら世間的にはそもそも無料なんですよ。
価値っていうのは奪い合うことで発生するものなんで。
つまり、それを生み出すことにどれだけの労力をしたとしても、それ自体が奪われる者になってないと価値がないんですよ。
道端に落ちてる石ころと全く一緒です。
辛いでしょ。
頑張って作ったのに!とか関係ないんですよ。
でも、この現実を受け止めなきゃいけない。
でね知らないおじさんがでてきて、その辺に落ちてる石を持ってきてね、すっごい特別感を出して。
「この石、今だけ無料であなたに差し上げます」って言ってきたら気持ち悪いね。
怪しいんですよ。
なんかあるんじゃないかなって思っちゃう。
これを受け取ったら、何か変な事に巻き込まれるんじゃないかなとか思っちゃいますよね。
世間的にはまだ価値が認められていないあなたの商品やサービスを今回は特別に無料で提供しますという感じで打ち出してしまうと気持ち悪!って思われちゃうんだよ。
ここがポイントなんですけど、ここ押さえドコロです。
ここはすごくポイントなんですが、お前はまだ無料提供するな無料公開するなって言ってるんじゃないんですよ。
今回の話は無料提供してもいいんですよ。
無料提供してもいいんですが、その際特別感を出すなっていう話です。
それを無料で提供することを特別だと思っているのは、あなたで。
世間的にはあなたの作品やサービスが無料で提供されることは特別でもなんでもないので、ここのズレが発生してしまってる。
あとここのズレがお客様目線・他者目線を持ってていない自分を露呈してしまっているんです。
せっかくだから、もうちょっとだけ厳しい現実をお伝えすると、もうこれクリエイターさんからすると、本当に悔しい話かもしれませんが、僕もここをちゃんと受け止めて行っておりますので、どうかこれはちょっと耳の痛い話かもしれませんが、聞いていただきたいなと思うんですが、
作品をお客さんに提供するってどういうことかって言うと、それが映像や音楽の場合だったら、お客さんの時間を奪うっていうことだし、それがこう物質だとお客さんの場所は部屋に置かれるわけですから、場所を奪うことなんです。
お客さんからすると、気持ちよく貼ってくるくれるものにはお金を払うんです。
逆に得体の知れないものに時間は奪われたくないし、場所奪われたくない。
それでもうまいと言うのであれば、こっちの時間やこっちの手こっちの場所を提供してあげるからっていう話になって、これ上下逆になってくる。
つまり、まだ全く評価されていない作品をお客さんに渡す時っていうのは価値の理屈で言うと、本当はお金をもらうどころか、無料提供どころか、お金を払わなきゃいけない。
自分が一生懸命生み出した作品を本来は、それが世間的にまだ評価がされていなかった、自分が一生懸命乱した作品を本来はお金を払って提供しなきゃいけないっていう立場の人が今回は特別に無料で提供しますっていうことやっちゃってる。
みんなが思ってるのはいやいやいやお前じゃないかっていう話です。
無料公開とか言いながらお客さんの時間を手を場所を搾取しちゃって。
まだ評価されていない作品とかサービスっていうのはそのレベルにあるということです。
ここに当てはまってる人って少なくないと思うんですが、もしかしたらあなたもその一人かもしれません。
何で思い切って無料公開したのに受け取ってくれないんだよ!っていう疑問を持たれているかもしれませんが、皆があなたに抱いている理由はそこです。
自分が生み出した作品やサービスの現在の価値と、お客さんの時間や場所の価値を天秤にかけて考えた方がいいです。
少々耳の痛い話ですが、ここを受け止めなきゃ何も始まらないで頑張りましょうっていうのが今日のお話でございました。
今日は、無料公開戦略が全くハマらない人の特徴。
結論はあなたの作品あなたのサービスはまだ価値が認められていないから無料公開はつまるところあなたがお客さんから時間場所を搾取しちゃってますよっていう話です。
ここを押さえておいた方がいいと思います。
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それでは素敵な1日をお過ごしください。
キングコングの西野亮廣でした。
じゃあまたね。