西野亮廣エンタメ研究所の1年前の投稿を公開しています。毎日、学びになる本気の投稿が見れます。下手なビジネス書より月額1000円のオンラインサロンがおすすめです!
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10月28日(水) ※10月30日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
映画の告知をさせていただけるのならば、どこにでも出ていくキングコング西野こと「告知ヤリチン」です。
#今日は東野さんとの番組収録
#テレビ朝日
さて。
今日は、冒頭でサッと活動報告した後に「どうやら、こんな感じになってきてますよ~」という話をさせていただきます。
昨日の記事のように「数字を交えた話」ではなくて、ちょっと数値化しにくい…それだけに見落としがちな話です。
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▼ えんとつ町のプペル『こどもギフト』
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このサロンの中にも支援者様がいらっしゃるのですが、僕らは「えんとつ町のプペル『こどもギフト』」という活動をおこなっております。
こちらは「世界中の子供達に毎月、絵本『えんとつ町のプペル』を一冊プレゼントできる」という『支援のサブスク』(月額2000円)で、現在850名の支援者(というか神様)が集まっています。
つまり、毎月850人の子供達に絵本『えんとつ町のプペル』がプレゼントされます。
スタッフ(ときどき僕)が、支援者様にかわって、現地に絵本を配りに行くわけですが、配る先の子供達がちょうど850人とは限りません。
したがって、絵本が余ったら翌月に絵本をまわして、不足したら、絵本を不足したら、その分は株式会社NISHINOで絵本を購入し、プレゼントします。
今月は沖縄の小学校(2校)の低学年の子供達全員に絵本『えんとつ町のプペル』を配ってまいりました。
この「絵本配り」に関しては、懸念点があります。
それは……
「目の前で絵本を無料で配ってしまうと、本屋さんに並べている絵本が売れなくなってしまうのでは?」
もしくは、
「本屋さんが気持ちよく、このプロジェクトを応援できないのでは?」
です。
やっぱり、これまで本屋さんに応援してもらったから僕も今日は挑戦できているので、「お払い箱」みたいな真似はしたくありません。
「本屋はオワコン」とも思っていません。
ただ、口で言うだけならいくらでも言えるので、姿勢を見せようと思い、幻冬舎と地元本屋さんと話をつけて、「子供達に配る絵本は地元の本屋さんで購入したものを配る」ということにさせていただきました。
少しややこしいですが……
①地元の本屋さんに予約注文を入れて(※子供達に配る分)、本屋さんが幻冬舎に配本の連絡を入れる。
②幻冬舎にはあらかじめ「○○書店さんから、100冊注文が入ります」と根回しをしておいて、配本の在庫が切れないようにしておく。
といった建て付けです。
そんな感じで今回の沖縄では、それぞれ……
ジュンク堂那覇店=200冊
宮脇書店大山店=120冊
球陽堂メインプレイス店=100冊
HMVオキナワ=100冊
TSUTAYA新都心店=100冊
を購入させていただきました。
この調子で、今後も『こどもギフト』を通じて、地元の本屋さんも応援していきます。
とにかく全員を勝たせます。
絵本を(著者割り引きではなく)定価で買うことになるので、株式会社NISHINO的には赤字になるのですが、たぶん全然オッケーです。
#どこがオッケーなんだ
#根拠をしめせ西野
そんなこんなで、今日の本題です。
おそらくこれは、全サービス提供者に出されている問題です。
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▼ 2020年現在の「仲介業者」をどう捉えるか?
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今さらこんな話をするのもアレですが、インターネットは産業構造をゴロリと変えてしまい、中でも「仲介業者って要らなくね?」という一大ムーブメント(スタンダード?)を作り上げたのは皆様の知るところ。
今朝のVoicyでも話しましたが「芸能事務所」も他人事ではなく、「表現」と「お客さん」の間に入らないといけない存在ではなくなっています。
現実問題、(※くれぐれも年収が全てではありませんが!)日本のタレント&表現者の年収ランキングTOP5には、いわゆる芸能事務所所属のTVタレントは、あまり入っていないと思います。
#どこまでが芸能事務所所属とするかの線引きが難しいところではありますが
今、大きな影響力を持っているタレントというのは、芸能事務所から貰える仕事を待っているタレントではなく、自分から仕事を狩りにいったタレントで、次代の才能は後者の背中を追いますので、「さて、どうする? 芸能事務所!」といったところです。
出版社や書店さんも他人事ではありません。
「収入」のことだけを考えると、僅か10%の印税を期待して、本を書き、そして自分の本を自分で宣伝&売りさばくよりも、メルマガやnoteに記事を投稿して、記事を直接売った方が、実入りはイイ。
500円のnoteが1000人に売れたら50万円ですが、
1300円の書籍(印税10%)が1000人に売っても13万円です。
書籍を1000冊売ることに費やした時間給を計算したらマイナスだと思います。
そんなこんなで、多くの表現者(商品)が、「仲介業者をスッ飛ばして、直接、お客さんに販売しよう」という流れになっています。
#手数料を取るネットの仲介業者のことは一旦忘れてください
僕は、自分の収入には本当に興味がないので(※パフォーマンスじゃなくてマジで!)、時代がどうなろうと「面白い方」を選びます。
noteで記事を積極的に販売せず、2020年になっても幻冬舎から本を出す理由は、「そもそも呑み友達だから」で、僕が梶原くんと解散しないのと同じ理由です。
そもそも「損得」で組んでいない。
当然、noteの社長さんが仲良しだったら、おもくそnoteを応援します。
本屋さんも同じで、サロンメンバーの中に本屋さんがたくさんいるので、本屋さんを応援しないわけがない。
西野とは、そういう「友達ズブズブ男」なんです。
どうせ苦労するのなら、友達と苦労した方が面白いじゃないですか?
「今度こそ完全に死んだ…」とか言って、笑える方がいい。
そのスタンスで、これまでずーっとやって来たのですが、ここに来て、ちょっと様子が変わってきたんです。
端的に言うと……これまで以上に感謝されるようになった。
どれだけオブラートで包んでもバレてしまうので、堂々と言いますが(気を悪くしないでください)、今、あらゆる仲介業者が斜陽産業であることは間違いない。
生き残りをかけて、どこも必死です。
そんな中、差しのべられる「救いの手」が、バブル時と同じ価値なわけがなく、もう「あざーす!」なんです。
#急に説明が雑
その結果どうなるかと言うと、「手を差しのべてくれた人をメチャクチャ応援する」というムードが生まれる。
これはバブル時には起きない(起きにくい)運動です。
僕はこれを「斜陽利益」と呼んでいます。
斜陽産業を応援することによって発生する利益のことです。
今は、どう考えたって仲介業者の斜陽利益は上がっていて、下手すりゃ、仲介業者をスッ飛ばした時に発生する利益よりも大きくなっている。
今、いろんな本屋さんが、『えんとつ町のプペル』を大々的に宣伝してくれています。
おかけで、『えんとつ町のプペル』を知らなかった人に、どんどん見つかっています。
これは「仲介業者(本屋さん)を通し続けたことによって生まれた運動」で、広告費のことを考えると、絶対にプラスです。
てか、「困っている人を助ける」って、サービスの基本だと思うんだよね。
「仲介業者をスッ飛ばして、お客さんに直接売った方がいいじゃん」を皆がやったおかげで、斜陽利益は上がっているので、
サービス提供者は、「仲介業者をスッ飛ばすことで生まれる利益」と「仲介業者を介することで生まれる斜陽利益」を天秤にかけて、仲介業者を通すか通さないかを決めた方がいいと思います。
以上、「よくもまぁ…毎日毎日こんな濃い記事が書けるなぁ」と思っている西野でした。
現場からは以上でーす。