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12月10日(火) ※12月12日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
昨日の記事で「YouTubeチャンネルは、まだ本気で宣伝しない」ということを書いたのですが、その直後に尾原和啓さん(https://salon.jp/obara)から「宣伝した方がいいっすよ」と言われ、積極的に宣伝することを決めたキングコング西野です。
「初志貫徹<成功している人の言うことを素直に聞く」という計算式で生きています。
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さて。
今日は「コンセプトは非常に大切だけど、このコンセプトだけは選んじゃダメだよ」という話をしたいと思います。
僕はときどき会社のコンサルしたりするのですが、以前、とある会社から「まったく新しいフェスを作りたい」という相談を受けました。
それは主催者の『好き』を盛り込んだフェスで、「【プロレス】や【占い】や【ビジュアル系バンド】などを一気にまとめて楽しめる』といった内容でした。
仕事してコンサルをさせてもらっている手前、意見を濁しても仕方がないので、「誰も幸せにならないから、直ちに辞めた方がいい」とお伝えしました。
これはフェスの主催者に限らず、お店を経営している方や、クリエイターさんにも共通して言えることですが、『エンタメの選択肢が増えて、エンタメが細分化した時代』というのを、もう少し解像度を上げて捉えた方がいいと思っています。
『細分化した』ということは、言い変えれば、『好みではない(興味がない)モノの数が増えた』ということです。
今回の相談者に限らずフェス主催者は往々にして「ゴチャ混ぜ(盛り沢山)」をやりがちですが、イベントに足を運ぶほどの強烈な【占い】好きは、基本、【プロレス】に興味がありません。
プロレスラーは、自分達に興味がない熱量の低いお客さんの前で、客席の盛り上がりに欠けるプロレスを披露しなければなりません。
ビジュアル系バンドのファンの方にいたっては、ムチムチのオジサン達が試合している間はロビーでスマホをイジッて、客席にもいないことでしょう。
ただ、イベント運営者としては、たくさんの人が客席に押し寄せた時のことを見越して、座席は用意しておかなければなりません。
7割ぐらいが空席の中、試合をさせられるプロレスラーさんの胸中を察してあげてください。
今日の記事では、以下のことだけ覚えておいていただければ万々歳なのですが…
コンセプトを決めることは非常に重要ですが、
エンタメの選択肢が増えて、
エンタメが細分化されて、
好みじゃないモノの数が増えた今の時代に、
唯一(絶対に)打ち出しちゃいけないコンセプトが『ゴチャ混ぜ』です。
現代、このコンセプトを選んで許されるのは、『コンビニ』と『マツモトキヨシ』と『ウィル・スミス』だけだと思ってください。
昔、コンセプトの重要性を説いた秋元康さんが「記憶に残る『幕の内弁当』は無い」という超名言を残されましたが、あれから時代は更に進み、もはや「選ばれる『幕の内弁当』は無い」の時代に突入したと見ています。
そんな中、奇っ怪な盛り上がりを見せ、年々集客を伸ばしている年末の大忘年会『天才万博』。
イベントの柱としては「音楽」があるのですが、出演されるアーティストさんは実は結構厳しめに選ばせていただいていて、知名度や集客力なんて1ミリも要らないのですが(すげー、フェスだな!)、「俺たちの音楽を聴け!」という(レストラン型の)スタンスをとられるアーティストさんはお断りさせてもらっています。
お客さんとして音楽イベントに足を運んだ時に、どれだけクオリティーが高くても、「知ってる曲」に比べて「知らない曲」は楽しくないので、「知らない曲でも全然いいので、お客さんと歩幅を合わせてください」というのが天才万博のコンセプトです。
お客さんを圧倒させる超有名なロックアーティストさんから手が挙がっても、お断りさせてもらうのが『天才万博』です。
毎年、たくさんの子供が会場を走り回っている理由がそれです。
(※小学生以下は入場無料です。中学生でも「小学生です」と言い切れば、入場無料です)
イベントのキャスティング会議の時などに、よくSNSのフォロワー数が集客力の参考数字として引用されることがありますが、100万人のフォロワー数を誇るインフルエンサーを大集合させても、300席の会場が埋まらなくなっているのかわ現代です。
『ゴチャ混ぜ』というコンセプトには、くれぐれも気をつけてください。
現場からは以上でーす。